那須川天心選手を語る上で欠かせないのが、実家が運営母体となった「TEPPEN GYM」と、個性豊かな家族構成です。
那須川家は、父・弘幸氏、母・由美子さん、長男・天心選手、長女、次女・梨々(りり)選手、次男・龍心(りゅうじん)選手の6人家族(4人兄弟)です。格闘技界において「那須川ファミリー」は広く知られており、妹の那須川梨々選手、弟の那須川龍心選手もプロ格闘家として第一線で活躍しています。
父・那須川弘幸氏は、もともと建設業(内装工事業)を営みながら、天心選手の才能を開花させるために独学でトレーニング理論を構築しました。自宅の一角に造られたジム「TEAM TEPPEN」は、後に会員制の大規模ジム「TEPPEN GYM」へと発展。松戸市新松戸から東京・葛飾区へと拠点を拡大し、数多くのプロ選手やチャンピオンを輩出する名門ジムへと成長を遂げました。
父親の指導法はまさに「昭和の巨人の星」を彷彿とさせる壮絶なスパルタ教育でした。試合で勝っても内容が悪ければ叱責され、連日過酷な反復練習が課されました。しかし、天心選手は後にメディアで「父のあの厳しさがなければ、リングの上で命を落としていたかもしれない。誰よりも信頼している」と語っており、単なる強制ではなく深い家族愛とリスペクトに裏打ちされた関係性であったことが窺えます。