飛行機が巡航高度(約1万メートル)から降下を開始するとき、機内では徐々に気圧が上がっていきます。最新鋭の旅客機であっても、機内気圧は標高約1,500〜2,000メートル相当(約0.8気圧)から地上(1気圧)へと変化するため、耳の奥にある「中耳腔(ちゅうじくう)」と外気との間に大きな圧力差が生じます。
人間の耳は通常、鼻の奥と中耳をつなぐ細い管「耳管(じかん)」が自然に開閉することで、中耳内の気圧を外気圧と同等に保っています。しかし、着陸時 耳激痛 原因の大部分は、外気圧が高くなるスピードに耳管の開放が追いつかず、中耳内が強い陰圧(外より圧力が低い状態)となり、鼓膜が内側へ無理やり引き込まれることにあります。鼓膜周囲には痛覚神経が密集しているため、わずか数十ヘクトパスカルの気圧差でも鋭い激痛として脳に伝達されます。
上昇時(気圧が下がる局面)は中耳内の空気が自然と外へ逃げやすいため軽微な違和感で済むケースが多い一方、降下時は外から中耳腔へ空気を送り込む必要があるため、耳管が押しつぶされてロックされやすく、激痛につながりやすいという構造的な特徴があります。