1988年10月7日生まれ、東京都出身の中島歩。日本大学藝術学部文芸学科を卒業した彼は、在学中に落語研究会に所属し、言葉の抑揚や間(ま)の取り方を徹底的に磨き上げました。長身と端正な顔立ちを活かしてモデル活動を開始したのち、転機となったのは2013年、美輪明宏主演の舞台『黒蜥蜴』のオーディションでした。約200人の応募者の中から雨宮潤一役に抜擢され、俳優としての第一歩を刻みます。
翌2014年の『花子とアン』で全国区の知名度を獲得して以降も、彼は商業的なヒット作だけに安住しませんでした。ミニシアター系映画や実験的な演劇作品にも果敢に出演し、濱口竜介監督の『偶然と想像』(2021年ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞)や、城定秀夫監督の『愛なのに』(2022年)などで見せた繊細かつ人間臭い芝居は、国内外の映画賞関係者から絶賛を浴びました。
2026年を迎えた現在も、映画、地上波ドラマ、舞台と出演オファーが途切れることはありません。華麗な血統に甘んじることなく、泥臭く芸の道を追究し続けた経歴があるからこそ、彼の演じる人物には他者には真似のできない陰影と説得力が宿っています。