相模湾と天城連山に抱かれた静岡県伊東市は、日本屈指の総湧出量を誇る温泉郷として名高い。毎分3万リットルを超える豊富な湯量を背景に発展してきたこの地において、宿泊業・リゾート観光産業のパイオニアとして確固たる地位を築いてきたのが森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社である。森章氏が牽引してきた都市開発とリゾート開発のハイブリッドな視線は、伊豆半島におけるホスピタリティのあり方にも色濃く反映されている。
会員制リゾート「ラフォーレ倶楽部」のノウハウを惜しみなく注ぎ込み、一般の個人旅行者にも門戸を広げた本施設は、単なる宿泊場所の提供にとどまらない。地域の歴史的文脈を尊重しながら、現代人のライフスタイルに合致した湯治空間を再定義しているのだ。洗練された館内デザインの随所に和の情緒が息づき、旅慣れた大人たちを唸らせる落ち着きを醸し出している。