「在日ファンク」というバンド名を初めて目にした際、その強い語感に驚くリスナーは少なくありません。しかし、この名前に政治的な意図や思想的な偏りは一切存在しません。根底にあるのは、ソウル/ファンクの帝王ジェームス・ブラウン(JB)に対する愚直なまでの敬意と、日本におけるファンクの在り方を定義する強いアイデンティティです。
浜野謙太は過去のロングインタビューや自著、メディア取材において、バンド名の真意を度々明言しています。アメリカで生まれたブラックミュージックである「ディープ・ファンク」を、アジアの島国である日本人が模倣する際、どうしても拭えない違和感やコンプレックスが生じる。それを隠蔽したり単なるコスプレで終わらせたりするのではなく、「日本に存在する(在日する)ファンクバンドとして、生活感や日本語の泥臭さをそのまま鳴らす」という宣言として名付けられました。
「在日米軍」や「在日大使館」という言葉が示すような「この土地に在る」という純粋な空間的・音楽的表明であり、ブラックミュージックの様式美を日本人特有の日常感覚・情けなさ・切実さと融合させるという、極めて批評的かつハイコンテクストなネーミングなのです。