一歩足を踏み入れると、そこはまるで昭和の共同浴場。パステルブルーと白を基調としたタイル張りの内装、壁に描かれた富士山のペンキ絵、そして木製の風呂桶や洗面器。徹底された昭和レトロな世界観が、訪れる者の好奇心を一気に刺激する。
テーブルの代わりに据えられた浴槽風のベンチに腰掛け、風呂桶をトレー代わりにしてスイーツを受け取る。この一連の体験そのものが、SNS時代における強烈なエンターテインメントだ。スマートフォンのシャッター音が店内のあちこちで軽快に響く。ただ美味しいものを食べるだけではない。「空間に入り込み、物語の一部になる」という没入感こそが、若い世代のみならず往年の温泉ファンをも虜にしている理由だろう。