都はるみの私生活は、決して平坦なものではなかった。1979年、歌手の朝香新悟と電撃結婚を発表した際、世間は大いに沸いた。しかし、多忙を極めるトップスター同士の生活は長くは続かず、わずか数年でピリオドを打つことになる。
その後、彼女の音楽活動と人生の大きな支えとなったのが、プロデューサーの中村一好だった。仕事上の名バディであり、私生活でも固い絆で結ばれていたふたり。だが、その別れはあまりにも突然で悲痛なものだった。最愛の理解者を失った喪失感は計り知れず、彼女は一時、完全に歌への情熱を見失ってしまう。
激しい栄光の陰にあった深い哀しみ。恋と別れを繰り返してきた歴史があるからこそ、晩年に出会った矢崎との穏やかな日々が、彼女にとってどれほどかけがえのない救いであるかが窺える。