鳥類は体調不良を極限まで隠す「隠忍(いんにん)性」を持つ。野生化で捕食者に狙われないための防衛本能だが、これが家庭飼育では仇となり、異変に気づいた時には手遅れになっているケースが珍しくない。
鳥類医療の第一人者である獣医師・海老沢和荘医師をはじめとする専門家たちは、室内飼育における見えない危険について強い警鐘を鳴らしている。その筆頭が「テフロン中毒(フッ素樹脂加熱による有毒ガス)」だ。フッ素加工のフライパンやアイロンの空焚きから発生する微量のガスは、気嚢(きのう)という高効率な呼吸器官を持つ小鳥にとって即座に致命傷となる。
さらに、鉛や亜鉛といった重金属を含むカーテンウェイトやアクセサリーの誤飲、アボカドやチョコレートなどの誤食、発情過多による卵塞症(らんそくしょう)など、家庭内には危険が溢れている。年中一定の温湿度を保つサーモスタット付きヒーターの設置や、小鳥を専門に診察できる獣医師をあらかじめ確保しておく準備は必須といえる。