就活生の間で広く拡散されている「就職偏差値ランキング」は、もともと2ちゃんねる(現5ch)の就職板において、匿名のユーザーたちが主観的な難易度や企業の知名度を元に作成した格付けリストが起源です。このリストには一定の相場観が反映されているものの、情報の信憑性には構造的なバイアスが含まれています。
ネット上の就職偏差値における最大の歪みは、「消費者向けの知名度(BtoC)」や「企業規模の巨大さ」ばかりが過大評価され、卓越した収益力を持つ「BtoB企業」が過小評価されやすい点にあります。一般の就活生には知られていないものの、営業利益率が20%を超え、平均年収が1,000万円前後に達する理系の高年収・隠れ優良企業が素材・電子部品・半導体製造装置の領域には無数に存在します。
さらに、偏差値上位とされる企業に入社したとしても、配属された事業所の立地が過疎地の工場・研究所であったり、旧態依然とした年功序列や激務が常態化していたりすることで、入社後1〜3年以内に早期離職するケースが後を絶ちません。ネット上の数字や記号としての「偏差値」に目を奪われ、職場の労働実態や自身の適性を見失うことは、キャリア形成における最大の落とし穴です。