スマホの画面をスワイプすれば、指を複雑に折る「フィンガータット」やハンドポーズが次々と現れる。これらの多くには、かつて特定地域のギャングが符牒として使っていた形が色濃く残る。
「若い投稿者たちは単にスタイルとしてかっこいいから真似をしている。そこに政治的意図も犯罪への憧憬もない」。あるメディア社会学者はそう指摘する。だが、発信側の意図がどうあれ、受信側――特にそのサインに血と対立の歴史を見出してきた当事者たち――にとって、その動きは明確なメッセージだ。文脈から引き剥がされたシンボルがネットを駆け巡り、現場の緊張感を煽る事態が起きていく。