『いつも何度でも』歌詞の深層と誕生秘話|木村弓の現在と名曲の真実

『いつも何度でも』歌詞の深層と誕生秘話|木村弓の現在と名曲の真実

『いつも何度でも』歌詞の深層と誕生秘話|木村弓の現在と名曲の真実に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

『いつも何度でも』の誕生は、2001年公開の『千と千尋の神隠し』制作開始よりも前に遡ります。1997年、映画『もののけ姫』を観て深く感動した音楽家・木村弓氏が、宮崎駿監督へ自らのCDと手紙を送ったことがすべての始まりでした。手紙を受け取った宮崎監督は、当時構想を練っていた新作アニメーション企画『煙突描きのリン』の主題歌を打診します。

木村氏は詩人・作詞家の覚和歌子氏に作詞を依頼し、メロディを紡ぎ出しました。ところが、その後『煙突描きのリン』の企画自体が諸事情により白紙撤回(ボツ)となってしまいます。日の目を見ないまま眠るはずだったこの楽曲を、木村氏は「たとえ映画にならなくても素晴らしい詩と曲ができた」と大切に歌い続けていました。

転機が訪れたのは、宮崎監督が新たな企画『千と千尋の神隠し』の制作終盤に差し掛かった頃です。作業中にこの曲を聴き返した監督は、「作中の湯屋で過酷な労働に耐え、自分を見失いそうになりながら成長する千尋の心情そのものが、すでにこの歌に完璧に描かれていた」と直感し、映画のエンディングテーマへの緊急採用を決断しました。企画の頓挫という逆境を経て、映画史に残る主題歌へと昇華した奇跡的なエピソードです。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。