佐藤二朗の名を語る上で欠かせないのが、爆笑をさらうコメディ映画での唯一無二の立ち回りだ。なかでも監督・福田雄一とのタッグ作品で見せる阿吽の呼吸は、まさに「鬼に金棒」の面白さを誇る。
メガヒットを記録した映画『銀魂』シリーズでは、武市変平太役として出演。原作の強烈なキャラクターを自身のオリジナリティで呑み込み、画面狭しと暴れ回った。長回しのセリフで繰り出される予測不能な間合いは、共演者すら本気で吹き出させるほどの破壊力を秘めている。
一方で、映画『50回目のファーストキス』のようなロマンチックコメディでもその存在感は健在だ。ハワイを舞台にした本作で彼が演じた父親役は、笑いの中に娘への深い愛をのぞかせ、作品の感情線を力強く支えた。アドリブのように見えて細部まで計算されたセリフ回しは、まさに匠の技だ。