新作のタイトルとして浮上した『境界の浮島』は、ジャンルの枠組みを超えた実験的作風で知られる山下秀樹の真骨頂とも言える作品だ。物語の舞台となるのは、地理的・法律的な空白地帯に浮かぶ謎の人工島。そこで巻き起こる不可解な失踪事件と心理的トラップを描いた本格SFサスペンスであり、同時に緻密なサイコロジカルホラーの要素を色濃く反映している。
観客の心理を極限まで追い詰める視覚演出と、不穏な静寂が交錯する音響設計。試写段階の映像を一部目撃したとされる関係者は、「人間の狂気とテクノロジーの暴走が交差する、容赦のない恐怖体験」と語る。従来の邦画ホラーに見られた演出様式を一新し、精神的深層に迫るリアリティを極限まで追求している点が極めて刺激的だ。