栄光の頂点から10余年が経った1992年、日本中を激震が走った。講談社から刊行された写真集『Kiré』である。当時、著名女優の大胆なヌード写真集が社会現象となっていたが、彼女の決断はそれらの追随とは一線を画していた。ハリウッドで名声を手にした国際派女優が、全てを脱ぎ去る。その事実だけで世間は沸騰した。
写真集『Kiré』は単なる肌の露出を売りにした作品ではなかった。ハワイの強い日差し、荒涼とした溶岩台地、そして陰影豊かなスタジオ。一流のクリエイター陣が結集し、40歳を迎えた一人の女性の肉体を冷徹なまでの美意識で切り取った。発売直後から書店には長蛇の列ができ、50万部を超える空前のメガヒットを記録。出版業界における人物写真集の概念そのものを根本から覆した金字塔となった。