新宿駅西口エリアでは、地上48階建ての超高層複合ビルの建設を含む大規模再開発が進行しています。これに伴い、「思い出横丁も近いうちに取り壊されるのではないか」という再開発の噂の真相がしばしば取り沙汰されます。
結論から言えば、新宿思い出横丁自体が直ちに取り壊される計画はありません。横丁を管理する「新宿西口商店街振興組合」の土地権利関係は小規模地権者が密集する複雑な構造となっており、周辺の大型ビル再開発エリアとは明確に区分されています。1999年の大火災を乗り越えて再建された歴史が示す通り、店主たちの横丁存続に対する結束は極めて強固です。
新宿思い出横丁の歴史と経緯を紐解くと、1946(昭和21)年頃に焼け野原だった新宿西口にできた闇市が原点です。当時は統制物資だった米や酒の代わりに、比較的手に入りやすかった牛や豚の臓物(モツ)を串に刺して焼いて売る店が急増しました。板張りで仕切られた当時の粗末な共同便所の記憶から、かつては「しょんべん横丁」という強烈な通称で親しまれた過去を持ちます。この「モツを安く旨く喰わせる」という原点のDNAが、今も横丁のソウルフードとして受け継がれています。