ビワは非常に樹勢が強く、放任すると平気で樹高5m〜8mに達します。手が届かない高木になってしまったびわの木を家庭果樹として安全に管理するためには、樹高を2m〜2.5m程度に抑える仕立て直しが必須です。
その中核となる技術が「芯止め(しんどめ)」です。ビワ 芯止め やり方の基本は、上に向かって真っ直ぐ伸びる最も太い主幹(主芯)を、自分が手を伸ばして作業できる高さの分岐点で切り落とす作業を指します。
樹木には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という、最も高い位置にある芽に養分を集中させて上方へ伸びようとする性質があります。植物ホルモン(オーキシン)の働きによるものですが、主幹の先端をバッサリと止めることで、上方向へのエネルギー移動が遮断され、養分が横方向の側枝へと分散します。これにより、横に広がる杯状の樹形(開心自然形)へと誘導できるのです。
主幹を切る際は、水平に切ると雨水が溜まって腐朽菌が侵入しやすいため、雨水が滑り落ちるよう斜め45度にカットします。そして、切り口には必ず殺菌成分を含む癒合剤(トップジンMペーストなど)を厚めに塗布してください。ビワの木は木質が比較的柔らかく、切り口の保護を怠ると幹の内部がスポンジ状に腐朽する危険があります。
続いて重要なのが「切り戻し」と「間引き剪定(透かし剪定)」のコツです。大きくなりすぎた枝を縮める際は、必ず「葉がついている分岐部」または「外側を向いている芽(外芽)」の直上で切ります。葉が1枚も残らない位置まで深く切り戻すと、その枝は光合成を行えず、そのまま枯れ込むリスクが高まります。また、樹冠の内部に光が差し込むよう、真上に向かって勢いよく伸びる「徒長枝(とちょうし)」や、内側に向かって伸びる「内向枝」、他の枝と交差している「交差枝」の根元から間引き、木全体の風通しを確保します。