ファンの間で「彼女以外には考えられない」とまで言わしめる決定打となったのが、『ちはやふる』の綾瀬千早と『呪術廻戦』の釘崎野薔薇という、対照的でありながら共通の「一本通った芯」を持つ二つの代表作です。
『ちはやふる』の綾瀬千早では、競技かるたに全てを注ぎ込む情熱と、普段の無邪気で「無駄美人」と称されるギャップを瑞々しい声で表現しました。当時10代だった瀬戸自身が持つ等身大の純粋さと、畳の上で放たれる鋭利な集中力が奇跡的なシンクロを見せ、作品の評価を決定づける原動力となりました。
一方、社会現象となった『呪術廻戦』の釘崎野薔薇において、瀬戸の真骨頂が炸裂します。野薔薇は従来のバトル漫画にありがちだった「守られるヒロイン」ではなく、自分自身の美学のために呪霊を調伏し、泥臭く命を削って戦う強烈な自立心を持ったキャラクターです。「私は綺麗でお洒落してる私が大好きだ!!盛装してる私も、強い私も、私は『釘崎野薔薇』なんだよ!」という名セリフに見られるように、媚びのないドスの利いた啖呵と、ふとした瞬間に見せる仲間への繊細な情愛のバランスは、瀬戸麻沙美の低音の響きと感情の爆発力があって初めて完成したと言えます。アフレコ現場の取材レポートでも、限界まで腹から声を絞り出す迫真の演技に共演陣が息を呑んだエピソードが語られており、これこそが視聴者の心を激しく揺さぶる「ハマり役の真相」です。