サンウがセビョクを殺害した理由は、単なる残虐性からではありませんでした。そこには、極限状態に追い詰められた人間ならではの冷徹な計算と焦燥が存在していました。
伏線となったのは、第7話「V.I.P.s」の終盤で行われた第5ゲーム「飛び石渡り(ガラスの橋)」です。制限時間終了とともに橋全体が爆破され、大量の強化ガラスが飛散しました。この際、飛び散った巨大なガラスの破片がセビョクの脇腹深くに突き刺さるという致命傷を負っていたのです。
セビョクは痛みに耐えながら傷口を隠し続けていましたが、正餐の席ではもはや座っていることすら困難なほど衰弱していました。この異変を察知したギフンは、ゲームを辞退して全員で生きて帰る投票を行おうとセビョクに持ちかけます。参加者の過半数が同意すればゲームは中断できるという規則があったためです。
しかし、ソウル大学卒のエリートでありながら巨額の借金を背負い、もはや後戻りのできないサンウにとって、ゲームの中断は「無一文での社会復帰=破滅」を意味していました。セビョクとギフンが結託してゲーム終了を選ばないよう、そして瀕死のセビョクを排除して最終決戦をギフンとの一騎打ちに持ち込むため、サンウは彼女の息の根を止める選択をしたのです。