中島家の歴史の中で、最大の試練となったのが父親の病でした。みゆきがデビューを控えていた時期、父親が脳卒中で倒れ、長期間の闘病生活を余儀なくされたのです。
家庭の柱を失いかけた苦境の中で、若き日のみゆきと弟の啓一郎氏は互いに支え合い、家族を守るために奔走しました。医師を目指して勉強に励んでいた弟の存在は、精神的にも大きな助けとなったと伝えられています。
この辛く切実な実体験や命の儚さと向き合った記憶が、後に生み出される感動的な楽曲群の根底にある強い説得力へと昇華していきました。家族の絆と苦難を乗り越えた経験こそが、彼女の音楽に深みを与えた最大の要素でした。