ハスコラが単なるグロテスク画像にとどまらず、社会的なトラウマミームへと肥大化した背景には、巧妙な「病気デマ」の存在がありました。
2000年代中盤から後半にかけて、画像単体だけでなく「南米に生息する新種の寄生虫に感染した症例写真」「海外の違法な豊胸手術によって発生した壊死」「触れると皮膚に穴が開く未知の感染症」といった虚偽の解説文が付け加えられ、チェーンメールやブログ記事を通じて拡散されたのです。これこそがネット上で長年語り継がれるハスコラ病気デマの正体です。
医学的見地から言えば、人間の皮膚に植物の果托のような幾何学的に整列した円形の穴が多数形成され、中に黒い球体が整然と詰まるような疾患は一切実在しません。皮膚筋線維症や特定の寄生虫症(ハエ幼虫症など)は実在するものの、ハスコラのような整然としたハニカム構造を皮膚上に形成することは生物学的に不可能です。
当時、真偽を判別するリテラシーが追いついていなかったネットユーザーの間では、「本当にこんな病気があるのではないか」という恐怖心が急速に煽られ、これが一種の都市伝説として定着していきました。実態は、完全に悪意をもって作られたフィクション画像に過ぎません。