映画を観た誰もが圧倒されるあの絢爛豪華なメインロビー。実は「実在するホテルのロビーを貸し切って撮影したものではない」という事実は、ファンの間でも意外な驚きとして語り継がれています。
24時間年中無休で稼働し、多くの宿泊客や要人が行き交う都内の最高級ホテルにおいて、数週間にわたる映画の大規模な撮影スケジュールを確保することは物理的に不可能です。そこで製作陣は、日本映画界屈指の規模を誇る東宝スタジオ(東京都世田谷区成城)の巨大ステージ内に、広大なロビーとフロントデスクのセットをゼロから建設しました。
美術チームが手がけたセットは、床の大理石の質感からフロントカウンターの木目、天井から吊り下げられた巨大な特注シャンデリア、壁面のレリーフに至るまで、本物の5つ星ホテルと寸分違わぬクオリティで作り込まれました。木村拓哉さんや長澤まさみさんも、初めてセットに足を踏み入れた瞬間に「本物のホテルにしか見えない」と息を呑んだと当時の公式インタビューで明かしています。この徹底したリアリズムこそが、観客に「実在のホテルでロケをしている」と錯覚させた最大の要因です。