これほどまでにジャンルも背景も異なる4人が、なぜ一つのバンドとして完璧な調和を保てるのか。それは彼らが「お互いの圧倒的な才能に対するリスペクト」を根底に持っているからに他ならない。誰か一人が主導権を握り潰すのではなく、4人の強烈なエゴと個性がぶつかり合い、削り合わされることで、前人未到のサウンドが立ち現れる。
歌謡曲のような親しみやすいメロディラインの裏に、高度なジャズ理論や緻密なクラシックの構成美、そしてパンクの衝動が潜んでいる。この歪で美しい構造こそが、メインストリームのポップスでありながらコアな音楽ファンをも唸らせるKing Gnuの真骨頂なのだ。