宿泊予約サイトや検索エンジンのサジェスト欄に現れる「閉館」という不穏な二文字。これから滞在を計画している旅行者にとって、もっとも気になるのがこの閉館の噂と真相です。調査報道の観点から登記情報、公式プレスリリース、堂島地区の都市計画決定データを精査した結果、同ホテルが営業を終了する計画は存在せず、現役のシティホテルとして活発に稼働を続けています。
では、なぜ根も葉もない閉館説が一人歩きしてしまったのでしょうか。都市開発に詳しい不動産アナリストの証言と業界構造を突き合わせると、2つの決定的な要因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、ホテルを取り巻く堂島浜・中之島エリアの劇的な景観変化です。ホテルの至近では「Brillia Tower 堂島(フォーシーズンズホテル大阪)」の誕生や、三菱地所による堂島浜再開発など、超高層複合ビルおよび外資系最高級ホテルの建設が相次ぎました。近隣で古いビルが次々と解体・更地化されていく現場を目撃した通行人やネットユーザーが、「向かいのクラウンプラザも建て替えや閉館の対象ではないか」と憶測をSNSに投稿し、それが拡散した経緯があります。
第2の要因は、全国的なホテルブランド再編のニュースとの混同です。国内の「ANAクラウンプラザホテル」網の中には、運営受託契約の満了や施設老朽化に伴うリブランド、建て替えを決定した地方都市の個体が存在します。それらの業界ニュースの見出しが検索アルゴリズム上で大阪のプロパティと紐づいてしまい、利用者の間で誤認が生じたというのが事実に即した真相です。
現場では客室や共用部の段階的なリニューアル工事が継続して施されており、IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)の基幹ホテルとして今後も堅実な運営が維持される見通しです。