このCMが放映された直後から、ネット掲示板や知恵袋などで最も多く検索され、今なお誤解が絶えないのが「アセロラ体操 歌ってる人」およびアセロラ体操 歌手の正体です。画面内では、仲里依紗さんと光浦靖子さんが歌に合わせて口を動かしている演出がなされていたため、長年にわたり「出演している2人が吹き込んだものではないか」「仲里依紗の地声ではないか」という言説がまことしやかに囁かれてきました。
しかし、制作関係者への取材記録およびCM音楽制作の業界データによると、実際に歌唱を担当したのは出演タレント本人たちではなく、プロフェッショナルなスタジオセッションシンガーです。この事実は当時の広告制作クレジットでも裏付けられています。
あえて本職の歌手やタレント名義を表に出さず、CMソング専門のシンガーを起用した背景には明確な演出意図がありました。童謡のような無垢さを残しながら、ブラームスのトリッキーな音階を狂いなく正確にピッチ(音程)を当て、かつ「脱力感」と「芯の通った明るさ」を同居させる歌声は、高度なボーカルコントロール技術を要します。当時20代前半でフレッシュな魅力を放っていた仲里依紗さんのヴィジュアルと、オアシズとして独自のシュールな立ち位置を確立していた光浦靖子さんの佇まい、そこに熟練シンガーによる絶妙なボーカルが吹き込まれることで、あの唯一無二のアンサンブルが完成したのです。