ネット掲示板やSNSで幾度となく引用され、構文としても定着した「炭酸抜きコーラですか…?」。その発祥は、板垣恵介氏による不朽の格闘漫画『グラップラー刃牙』(単行本第2巻)に描かれた地下闘技場での一幕です。
主人公である範馬刃牙は、強敵との大一番を控えた控室で、山盛りのバナナ、大量の梅干し、特大の丼に入ったおじや、そして炭酸を完全に抜いたコーラを一心不乱に胃袋へ流し込みます。格闘技界の常識では「試合直前に満腹になるまで食べるなど自殺行為」とされており、周囲のモブ客たちからは次のような嘲笑の声が上がりました。
「オイオイオイ」「死ぬわアイツ」
この軽薄なギャラリーのリアクションに対し、ただ一人その真意を見抜いた眼鏡の男が呟いた言葉こそが、「ほう 炭酸抜きコーラですか…たいしたものですね」でした。無知な群衆が嘲笑する中で、本質を知る達人だけがその合理性に気づくという見事な対比構造。これが読者に強烈なカタルシスを残し、刃牙の名言として今日まで語り継がれる最大の理由となっています。