公開当時から現在に至るまで、ネット上の検索窓で頻繁に調べられているのが「池沢佳主馬 性別」や「池沢佳主馬 声優」という疑問です。端正な顔立ちと涼しげな目元、少し長めのボブヘア、そして部屋着として着用していたノースリーブのタンクトップ姿から、初見で「美少女キャラクター」だと勘違いした視聴者が少なからず存在しました。
公式設定において、佳主馬の性別は正真正銘の「男の子」です。この中性的なキャラクターデザインを手掛けたのは、新世紀エヴァンゲリオンなどで知られる貞本義行氏。思春期特有の少年が持つ脆さと透明感、そしてどこか儚げな美しさが、貞本氏のシャープな描線によって見事に具現化されています。
そして、この繊細なキャラクターに圧倒的な生命力を吹き込んだのが、女優の谷村美月です。映画『カナリア』や『神様のパズル』などで数々の映画賞を受賞し、高い演技力で定評のあった彼女が声優として抜擢されました。細田守監督は、プロの声優ではなく実写で活躍する俳優を起用することで、演技に生々しいリアリティと自然な呼吸感を宿らせる手法を好みます。
谷村美月が演じた佳主馬の声は、低すぎず高すぎず、変声期を迎えつつある13歳男子の揺らぎを完璧に捉えていました。特に劇中中盤、強大な人工知能「ラブマシーン」に愛機キング・カズマを奪われそうになった際に見せた悲痛な叫びや、祖母・陣内栄の急逝を知って号泣するシーンでの感情の爆発は、演技を超えた胸を締め付ける迫力に満ちていました。