草鹿やちるというキャラクターを巡っては、アニメや単行本をライトに追っている層の間でいくつかの重大な誤解が定着しています。作品をより深く理解するために、編集部が厳選した代表的な盲点を検証します。
第一の誤解は、「やちるは元々本物の人間(流魂街の孤児)であり、途中で野晒に乗っ取られたのではないか」という仮説です。これは公式設定によって完全に否定されています。彼女は最初から剣八の霊圧の漏出と斬魄刀の精神から直接生まれた存在であり、親や血縁の存在する通常の霊魂ではありませんでした。だからこそ生来の記憶を持たず、剣八の刃に触れた瞬間を己の始まりとしていたのです。
第二の誤解は、「卯ノ花八千流の生まれ変わりや転生ではないか」という推測です。名前が同じ「やちる」であることから連載中盛んに囁かれた考察でしたが、実際には剣八が自分が唯一尊敬した人物である「八千流(やちる)」の名を少女に名付けたにすぎません。ただし、卯ノ花が死に際して剣八にその名を真に継承させたのと時を同じくして、刀のやちるが本来の役目へと戻っていったという点において、二人の「やちる」は剣八の運命の節目を司る表裏一体の導き手であったことは間違いありません。