実用性だけでは、ここまで爆発的なヒットにはならなかっただろう。このトレンドを決定づけたのは、SNSを中心とした若者たちのファッションカルチャーだ。1990年代後半から2000年代初頭のトレンドを再解釈した「Y2Kファッション」の流れに、冷感アームカバーが見事にハマった。
原宿や渋谷のストリートでは、ルーズなシルエットのTシャツに、あえてビビッドなカラーやシアー素材の冷感アームカバーを合わせるスタイルが定番化している。「日焼け対策」や「暑さ対策」という実利的な目的を隠しながら、ストリート感のあるレイヤードスタイルとして楽しむ。機能性と自己表現がこれほど美しく融合した例は珍しい。