渡辺麻友の写真集を語る上で避けて通れないのが、2016年にリリースされたソロ第2作『知らないうちに』が巻き起こした表現上の地殻変動です。それまで「1ミリも隙を見せない鉄壁の前髪」と「スキャンダル無縁のプロ意識」から、メディアやファンから畏敬を込めて「アイドルサイボーグ」と称されていた彼女が、ロサンゼルスの柔らかな光の下で見せた素顔は、世間の固定観念を根底から覆しました。
発売当時、特にメディアを賑わせたのが、プールサイドやベッドサイドで見せたヒップライン、通称「プリン尻」と銘打たれたカットでした。秋元康総合プロデューサーが帯に寄せた「渡辺麻友は、いつの間にか、大人の女性になっていた。僕たちは、その美しさに息を呑むしかない」というコピー通り、過度な露出による扇情ではなく、端正な骨格と透明感のある柔肌が持つ本来の造形美が切り取られていたのです。
ネット掲示板やSNSでは当時、「あのまゆゆがここまで脱ぐ必要があるのか」という保守的ファンの戸惑いと、「生身の渡辺麻友という女性の美しさが極限まで引き出されている」という絶賛が激しく交錯しました。当時のオリコン集計による売上部数は初週約3万7000部を叩き出し、女性ソロ写真集としては異例の総合BOOKランキング1位を獲得。評判と感想の検証において特筆すべきは、購入者の約3割以上を同世代の女性ファンが占めていた事実です。作られた偶像から自立した表現者への脱皮が、幅広い層に支持された証左でした。