山田雅人を語る上で絶対に外せないのが、競馬に対する並々ならぬ造詣と愛情だ。日本中央競馬会が舞台となる競馬中継やイベントにおいて、彼の存在は長年にわたり競馬ファンから絶大な信頼を集めてきた。単なる着順や配当の解説ではない。馬を育てる調教助手、苦悩する騎手、夢を託す馬主たちの人間ドラマを、彼は足繁く厩舎へ通い詰めて掘り起こす。
オグリキャップのラストラン、サイレンススズカの悲劇、ディープインパクトの衝撃。彼が語るレースの記憶は、競走馬がターフを駆ける足音や、スタンドの地鳴りのような歓声までをも鮮明に蘇らせる。膨大な取材メモと関係者からの信頼関係に裏打ちされたエピソードの数々は、競馬を単なる公営ギャンブルから「至高の人間讃歌」へと昇華させている。