この泥沼劇がエンターテインメントの歴史に刻まれることになった舞台が、テレビ東京の深夜バラエティ『ゴッドタン』でした。プロデューサー・佐久間宣行を中心とする制作陣は、通常なら腫れ物として扱われるはずの生々しい不倫問題を、前代未聞の企画へと昇華させました。
番組内で敢行されたゴッドタンのドッキリ企画では、何も知らされずにスタジオへ呼び出された和田の前に、不倫の当事者である東ブクロが直接対峙させられました。和田が流した本物の涙、震える声、そして東ブクロの土下座。画面越しに伝わる緊迫感は、バラエティの枠組みを完全に逸脱したドキュメンタリーの様相を呈していました。
当時のネット掲示板やSNSでは、「見ていて胃が痛くなる」「ここまで放送していいのか」という悲鳴に近い反応が溢れかえりました。しかし、和田の悲痛な叫びをトリオの相方であるアイアム野田とおおかわらが必死にいじり、笑いに変えようとする姿は、芸人の業(ごう)として多くの視聴者の心を打ちました。後に和田と東ブクロは番組を通じて徐々に雪解けを迎え、ビジネスとしての「和解」を成立させていくことになりますが、当時の和田が負った精神的傷の深さは計り知れません。