函館高専の音楽文化を語る上で欠かせないのが、学寮である「春潮寮(しゅんちょうりょう)」で歌い継がれてきた寮歌や応援歌、学生歌の存在です。
親元を離れて全国・全道から集まった10代半ばの学生たちが寝食を共にする寮生活において、歌は結束力を強める最大のツールでした。寮祭(春潮祭)や高専大会の前夜祭などでは、校歌のみならず、激しい身振り手振りを伴う応援歌や、夜の津軽海峡を望む哀愁を帯びた寮歌が幾度となく合唱されてきました。
かつてのバンカラ気質が薄れ、スマートな学習環境へと移行した2020年代以降も、こうした応援歌や寮歌のスピリットは形を変えてサークル活動や同窓生の集まりの中に息づいています。式典用のオフィシャルな校歌と、日常の連帯感を生む寮歌・応援歌の二重構造こそが、函館高専生の強固なネットワークを形成する土壌となっています。