制度の建前だけでなく、現場で日々繰り広げられているリアルな人間模様に目を向けてみましょう。大手ネット掲示板や知恵袋、SNSのコミュニティでは、誤購入を巡る出品者と購入者の激しい攻防が毎日のように報告されています。
「深夜2時、ベッドの中で画面をスクロールしていて、寝落ちした瞬間に高額なヴィンテージスニーカーを購入してしまった」――そう語るのは都内在住の20代男性です。「翌朝通知を見て血の気が引きました。慌てて出品者の方に『誤って触れてしまいました、キャンセルしてください』とだけメッセージを送ったところ、返ってきたのは『迷惑です。すでに梱包しましたので発送します。受取拒否は規約違反で通報します』という冷たい通告でした。結局、自分が悪いので購入代金4万5000円を支払うしかありませんでした」。
一方、出品者側にも計り知れないストレスが蓄積しています。フリマ歴8年という主婦のベテラン出品者は、近年のユーザー心理について次のように吐露します。
「一番腹が立つのは、購入者側が自分のミスを隠すために『出品者都合にしてください』と頼み込んでくるケースです。『メルカリ購入者都合キャンセル』を選択すると自分のペナルティになるからと、こちらの不手際(商品の不具合など)をでっち上げようとする人が本当に増えました。出品者都合にされると、私のアカウントの検索順位が落とされたり、24時間出品制限を食らったりします。なぜ他人の誤操作のために、こちらが泥をかぶらなければならないのか。絶対に譲りません」
現場では、「キャンセル理由の押し付け合い」が泥沼のトラブルへと発展しています。購入者が「誤って購入した」と自白しているにもかかわらず、手続き上の理由選択で嘘をつこうとすれば、事務局のメッセージ監視ログによって虚偽申請と判定され、結果的により重いペナルティを課される事態に陥ります。小細工は通用しないという冷酷な現実がここにあります。