ノヴの人間的な魅力を語る上で外せないのが、現場を共にしたモラウ=マッカーナーシとの絶大な信頼関係、そして弟子のパーム=シベリアとの間に横たわる濃密な師弟関係です。
豪放磊落な性格のモラウと、神経質で冷徹なノヴは一見すると水と油のコンビに見えます。しかし両者は互いの能力と専門性を誰よりも高く評価していました。宮殿突入前、恐怖で震え「もう闘えない」と涙を流すノヴに対し、モラウは嘲笑することも責めることも一切しませんでした。「お前はもう十分すぎるほどやった」「あとは俺たちに任せろ」と相棒の苦悩を受け止め、背中を叩いたモラウの器量と、それに涙で報いたノヴの姿は、作中屈指の熱い男の友情としてファンの涙を誘いました。
一方で、弟子であるパームとの関係は極めて複雑です。パームはノヴに対して狂信的な恋愛感情を抱いており、彼のためなら命をも投げ出す執念を見せていました。ノヴ自身もパームの精神的な不安定さを熟知しており、彼女を危険な宮殿内部への潜入調査に向かわせたことに対して、強い罪悪感と責任感を抱き続けていました。
後にキメラアントに捕らわれ改造されたパームと再会した際、ノヴは変わり果てた弟子の姿に胸を締め付けられます。アニメ版(マッドハウス版)でノヴを演じた声優・三木眞一郎氏の演技は圧巻の一言であり、知的な佇まいから徐々に崩壊していく焦燥、そして相棒や弟子に対する痛切な贖罪の念を見事に表現し、キャラクターの深みを一段と押し広げました。