そもそもモケケとは、ぬいぐるみメーカーの株式会社シナダが生み出した「モケケノケ星からやってきたへんてこひょろなが宇宙人」という独自の世界観を持つキャラクターです。薄べったい体、脱力感あふれる表情、そして何より特徴的な「長い腕で抱きつく習性」を備えたぬいぐるみが原点でした。この基本設計に、全国各地域の観光土産企画企業がライセンスを結ぶ形で誕生したのが「ご当地モケケ」です。
玩具業界関係者は、このアイテムが単なるキャラクターグッズにとどまらない理由を次のように分析しています。「通常のお土産菓子は食べてしまえば消えてしまいますが、モケケ ぬいぐるみ ストラップは旅の思い出を物質として手元に留め続けます。さらに、両腕のスナップボタンでモケケ同士の手をつなげられるギミックが秀逸でした。1体買うと、隣にもう1体つなげたくなる。この連鎖反応がコレクター魂に強烈な火をつけたのです」。
心理学的に見ても、旅先での消費行動には「日常からの解放感」と「その場限りの一期一会」が強く作用します。スマートフォンの画面越しにあらゆる情報が手に入るデジタル全盛の時代だからこそ、「その土地の物理的な売店に足を運ばなければ絶対に手に入らない」という空間的制約が、逆にプレミアムな価値を生み出しているといえます。