結論から明かすと、世界中で数億回以上再生された「野太い人間の叫び声をあげるマーモット」の音声は完全なアフレコ(吹き替え)です。マーモットが人間と同じ声帯構造を持って絶叫しているわけではありません。
この動画のオリジナル映像は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のウィスラーにあるブラックコーム山で撮影されたオリンピックマーモット(またはシモフリマーモット)の姿でした。ハイキングコースの展望柵に前足をかけ、周囲を見渡しながら口を大きく開けて鳴いている原動画に対し、海外のクリエイターが「男性の絶叫音声」を寸分違わずリップシンク(口の動きに合わせて音声を合成)させたものが発端です。
叫ぶマーモットのミームが定着した背景には、海外の動物おもしろ動画カルチャーが深く関係しています。かつてBBCのコメディ番組『Walk on the Wild Side』でプレーリードッグに「アラン!アラン!スティーブ!」と人間の声をあてたパロディが大ヒットした流れを汲み、2015年前後にこのマーモットの映像へ男性の叫び声が重ねられました。そのあまりに完璧なタイミングと絶妙な表情のシンクロ具合から、海外のTikTokやInstagram、YouTubeで瞬く間に拡散され、日本国内でも「おっさんマーモット」「絶叫アニマル」として不動の人気を獲得するに至りました。