多くの挑戦者が「肺が苦しくなった」「脚に力が入らなくなった」と実感してリタイアしますが、運動生理学の視点で見ると、シャトルランでバテる決定的な理由は純粋なスタミナ不足ではありません。最大の要因は、「音源のテンポ変化に合わせたペースの攪乱」と「ターン毎に発生する過剰なブレーキ力」にあります。
シャトルランは、電子音(ドレミファソラシド)の間隔がレベルごとに短縮される構造になっています。シャトルラン音源のテンポ変化は、初期のレベル1では1本あたり約9秒と非常に緩やかですが、レベルごとに約0.5秒ずつ短縮され、レベル10(通算94回付近)を越える頃には1本4.3秒を切るハイスピードへと遷移します。
失敗するランナーの典型的な行動は、序盤から中盤(30〜60回)にかけて「次の音が鳴るまでライン上で立ち止まって待つ」という行為です。これは時速0kmから最大加速を毎往復繰り返すことになり、大腿四頭筋に強烈な遠心性収縮(エキセントリック収縮)を強います。その結果生じる無酸素運動エネルギーによって筋グリコーゲンが急激に消費され、脚に乳酸が蓄積し、結果として70本前後の局面で脚が痙攣するかのように動かなくなるのです。