箱根園水族館の最大の特徴を語る上で欠かせないのが、標高日本一の海水水族館という唯一無二の肩書きです。海抜723mという高山気候の芦ノ湖畔にありながら、大量の海水を山の上まで運び込み、繊細な水質管理を維持し続けている技術的バックボーンは、近代水族館の歴史においても極めて特筆すべき偉業と言えます。
館内最大の目玉である「海水館」のメイン大水槽は、海水量1,255トン、水深7メートルを誇ります。この数字は山の上の水族館という先入観をいとも簡単に打ち砕く威容です。水底には朽ち果てた沈没船がリアルに横たわり、映画のワンシーンのようなノスタルジーを醸し出す中で、悠然と泳ぐエイやサメ、銀色にきらめく魚群が視界を埋め尽くします。海水大水槽では定期的にダイバーによる水中餌付けショーも開催されており、魚たちがダイバーを取り囲む圧巻のシーンを間近で体感できます。
さらに見逃せない箱根園水族館 見どころは、コンパクトな動線の中に凝縮された愛らしい哺乳類・鳥類展示です。ちょこまかと軽快に動き回るコツメカワウソの仕草や、愛らしい鳴き声で観客を魅了するペンギンたちの姿は、展示ガラスが一枚隔てられているとは思えないほどの至近距離で楽しめます。大都市の大水族館のように何重もの人垣越しに首を伸ばす必要がなく、生き物の息遣いすら感じ取れる距離感こそが、本館が持つ本質的なポテンシャルです。