「インド料理」と一括りにされがちですが、広大なインド亜大陸において北と南の食文化はヨーロッパと日本ほどに異なります。その決定的な差異を理解することが、南インド料理をより深く味わう鍵となります。
気候が比較的冷涼で乾燥している北インドでは、体を温めるためにギー(澄ましバター)や生クリームを贅沢に使い、ガラムマサラを中心とした甘く濃厚な香りを重視します。主食はタンドール窯で焼くナンやチャパティなどの小麦粉製品が中心です。
対して、熱帯モンスーン気候に属する南インドは、稲作が盛んな米文化圏です。ココナッツオイルやごま油をベースに、フレッシュなハーブやホールスパイスを多用します。重厚なコクで押す北インドに対し、南インドは「素材の出汁とスパイスの抜け感」で勝負する設計になっています。
油分と糖質が抑えられているため、摂取カロリーの観点からも非常にヘルシーであり、ダイエッターやアスリートからの支持も厚いのが特徴です。