現役引退後の歩みにおいても、2人は強烈な個性を発揮しました。横綱を引退した曙太郎は、2003年末に大相撲協会を離れ格闘技界へ電撃参戦。K-1や総合格闘技、さらにはプロレスへと舞台を移し、ボブ・サップとの歴史的一戦をはじめ、数々の名勝負でリングを沸かせました。どれほど敗北を喫しても逃げずに立ち向かい続ける姿勢は、多くのファンの胸を打ちました。
対照的に、イチローは45歳まで現役を続け、寸分の狂いもないルーティンと自己管理を貫きました。2019年の東京ドームでの引退試合まで、野球に対する純粋な探求心と妥協なき姿勢を貫徹した姿は、プロフェッショナリズムの極致として称賛されています。
リングで泥臭く戦い続けた曙と、グラウンドで美学を追求し続けたイチロー。アプローチは違えど、自らの信じる道を命懸けで全うした2人の姿には、共通するアスリートの魂が宿っていました。