ベニカナメモチの手入れにおいて最も重要なのは、年間の成長サイクルに合わせた剪定時期の選定です。生垣として植栽される品種の多くは萌芽力が旺盛なレッドロビンですが、適切な時期に枝先を落とさないと樹形が乱れるだけでなく、特徴である赤い葉の発生回数が激減してしまいます。
年間の作業計画は、基本的に春(3月下旬〜4月)、初夏(6月〜7月)、初秋(9月〜10月上旬)の3つのフェーズに分かれます。
まず春先の3月下旬から4月は、冬の休眠から目覚めて樹液が動き出し、新芽が勢いよく吹き出す直前のタイミングです。この時期に前年伸びた枝のラインを整える基本剪定を行うことで、春本番に一斉に芽吹く真っ赤な新葉の密度を高めることができます。
続いて初夏の6月から7月は、春に出た赤葉が次第に緑色へと変化し、枝が徒長して生垣の輪郭が崩れてくる時期です。このタイミングで伸びた枝を軽く刈り込むと、2番芽となる夏の新しい赤葉を再び芽吹かせることが可能です。
そして初秋の9月から10月上旬は、年内最後の整枝と冬越しに向けた準備期間となります。秋の剪定によって秋口の鮮やかな新芽を促しつつ、伸びすぎた不要枝を間引いて冬の採光と通気性を確保します。ただし、11月以降の寒冷期に入る直前の剪定は厳禁です。寒さに弱い新芽が霜害を受けて枯死し、翌春の生育に重大な支障をきたします。