裂き編みの成否を左右する最大の要素は、編み始める前の「ヤーン作り」にあります。布の性質に合わせた正確な下準備が、編みやすさと美しい仕上がりを決定づけます。
布を裂く際は、生地の耳部分または端にハサミで約1.5cm〜2.0cmの切り込みを入れ、そこから両手で一気に左右へ引き裂くのが基本です。ハサミで直線に切り進めるよりも、繊維に沿って手で引き裂くことで自然な毛羽立ちが生まれ、編み地にしなやかさと独特のニュアンスが宿ります。
ただし、伸縮性のあるニット生地や薄手のローン生地など、素材によって最適な布幅の目安は異なります。一般的な綿シーチングやオックス生地なら約2.0cm幅、薄手のローンなら約3.0cm幅、厚手のデニムなら約1.2cm〜1.5cm幅に調整します。裂いた布同士は、端に小さな縦スリットを入れて互いを通す「スリット連結法」を用いると、結び目のゴロつきを最小限に抑えられます。
使用するかぎ針の号数は、通常の毛糸用(5号〜8号)ではなく、7mm〜10mm、あるいはジャンボ12mmの太針を選択します。針が細すぎると編み目が詰まりすぎて編み地がカチカチになり、編む際の手首や指先へ過度な負担がかかるため注意が必要です。