ゴールドシップの変顔を語る上で切り離せないのが、競馬史に残る破天荒な奇行まとめと数々の珍エピソードです。その最たる舞台となったのが、阪神競馬場で行われた2015年の宝塚記念でした。
ファン投票1位に支持され、前人未到の同一平地GI3連覇という大記録がかかったこの一戦。ゲート入り直前、隣の枠の馬に強い威嚇を見せたゴールドシップは、ゲートが開くまさにその瞬間、突如として天を仰ぐように大きく立ち上がりました。約120億円もの馬券が一瞬で水泡に帰したこの「世紀の出遅れ」の瞬間、ネット掲示板やSNSでは驚愕と怒号、そしてある種の諦観混じりの笑いが入り乱れる前代未聞の事態となりました。
当時の宝塚記念 ネットの反応を検証すると、「120億を紙屑にした男」「ゲートの中で変顔して仁王立ちしていた」「怒る気すら失せるのがゴルシ」といった書き込みが数万件規模で溢れかえり、Twitter(現X)のトレンドを独占。勝つときは他馬を子ども扱いする豪脚を披露し、負けるときは誰の手にも負えない大敗を喫する――その劇的なコントラストが、ファンの心を強烈に掴んで離さなかったのです。
また、レース勝利後の口取り撮影において、騎手や関係者が並ぶ前でわざとフレームアウトしようとしたり、カメラマンに向かって歯を剥き出して威嚇したりと、面白いエピソードには事欠きません。常識的なサラブレッドの枠組みをことごとく破壊していくパフォーマンスは、スポーツを超えたエンターテインメントとして列島を熱狂させました。