現地の生々しい状況は、数値データ以上に道路利用者や住民の証言に色濃く表れています。古くから鈴鹿馬子唄で「坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山 雨が降る」と歌い継がれてきた通り、亀山市関宿の天気と鈴鹿峠の空模様は、数キロ離れた場所の天気予報が全く通用しないことで知られています。
物流業界の長距離トラックドライバーからは「四日市インターチェンジを走っているときは乾いた路面だったのに、亀山インターチェンジを越えた途端に視界がホワイトアウトするほどの局地豪雪に見舞われた」「亀山パーキングエリアで休憩中に突風でドアを持っていかれそうになった」という証言が頻繁に聞かれます。また、週末に関宿の伝統的建造物群保存地区を訪れた観光客からも、「津市街地を出るときは晴天の散策日和だったが、関宿に到着すると山から黒い雲が垂れ込め、底冷えする強風で傘が役に立たなかった」という困惑の声がSNSや口コミサイト上に散見されます。
気象庁が発令する亀山市の警報や注意報の推移を詳細に検証すると、大雨警報や洪水注意報の多くが、市街地よりも山沿いの支流河川における水位上昇に起因して出されている実情が確認できます。街中の空が明るく見えていても、上流の山林に激しい雨雲が停滞している場合は、土砂災害や河川増水が時間差で市街地に波及するという現場特有の脅威が存在しています。