車輪脱落事故に関する報告書を読み解くと、事故を起こしたドライバーの多くが「プロに任せていたから大丈夫だと思っていた」と供述しています。心理学で言う正常性バイアス(自分だけは重大事故に遭わないという根拠なき思い込み)と、専門家への過剰な依存が、確認を怠る最大の引き金となっています。
道路運送車両法において、日常点検および運行前点検の責任は整備工場ではなく「車両の使用者(ドライバー自身)」に課せられています。ショップで交換作業を終えた瞬間から、その車の安全を担保するバウンダリー(責任の境界線)はドライバー自身へと移行しているのです。
おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
- 自分で増し締めすべき人:家庭用ガレージがあり、信頼できるメーカー製(KTCやトネなど)の校正されたトルクレンチを所有し、規定値や締め付け順序の知識を正しく遵守できる人。
- ショップに任せるべき人:車載の簡易レンチしか持っていない人、トルクレンチの数値を読むのが面倒だと感じる人、足で踏んで締めがちな人。このタイプのドライバーは、迷わず作業を実施したショップや最寄りのカー用品店へ車を持ち込み、プロのツールで再確認してもらうべきです。