本作の魅力を語る上で絶対に外せないのが、ZARDのボーカル・坂井泉水による作詞だ。少年のように無垢で、どこか切なさを孕んだ言葉選び。日常の些細な仕草から恋心の芽生えをすくい取る描写力は、彼女にしか描けない世界観そのものだった。制作当時、仮メロディの段階から言葉のイントネーションや音の響きをミリ単位で微調整し、歌い手の声が最も輝くフレーズが厳選されたという。
後にZARD自身がセルフカバーしたバージョンを聴き比べると、その解釈の妙に息を呑む。浅岡雄也が放つストレートな情熱と青空のような清涼感に対し、坂井泉水が吹き込んだのは大人の哀愁と包み込むような優しさだ。同一の歌詞とメロディでありながら、歌い手によって全く異なる景色を見せる。稀代のクリエイターたちが起こした奇跡的な化学反応がここにある。