「なぜ、まだ風が強くないのに欠航が決まるのか?」
空港の搭乗口で困惑する利用者は少なくない。だが、航空会社が運休を決める基準は、台風が今どこにいるかではなく「数時間後に機体と乗員をどこに配置できるか」だ。
2026年現在の航空運行管理システムでは、台風の進路予想円から48時間前の段階でシミュレーションが走る。横風制限(多くの旅客機で20〜25ノット以上)や滑走路の水はけ能力、何より「折り返し便として飛行機が到着空港に取り残されるリスク」を回避するためだ。機体が台風通過後の空港に閉じ込められれば、翌日の全国のダイヤが雪崩式に崩壊する。欠航は乗客の安全確保と同時に、ネットワーク全体の麻痺を防ぐ防衛策なのだ。