富野由悠季監督が手掛ける作品群では、登場人物たちのセリフ回しや感情表現に独自のリアリティと哲学的ニュアンスが求められる。ザビーネ・シャルも例外ではなく、軍人としての規律と自身の野心、そして貴族社会の歪みに対する葛藤が交錯するキャラクターだった。
アフレコ現場において、梁田さんは富野演出の意図を過不足なく汲み取り、セリフの行間にある心理状態を巧みに表現した。劇中で見せるフロンタルなカリスマ性と、時折覗かせる冷徹な狂気のバランスは完璧と言っていい。彼が演じたことで、ザビーネという人物は単なる「敵側のエース」を超え、作品全体のテーマ性を体現する重要人物へと昇華したのである。