鈴木泉(すずき いづみ / 泉)は、1949年11月16日に静岡県伊東市で生まれました。高校卒業後に上京し、1960年代後半のアングラ文化が沸騰する東京のカルチャーシーンへ身を投じます。独自のアンニュイな美貌と尖鋭的な感性により、写真家・荒木経惟をはじめとするトップクリエイターのミューズとして頭角を現しました。
モデルやピンク映画の女優として活動する傍ら、1970年には小説『愛するあなた』が第2回星新一ショートショートコンテストで優秀作に選出。これを契機に本格的な執筆活動を開始し、SF・ファンタジー・私小説の境界を破壊する唯一無二の文体を確立しました。活動実績は多岐にわたり、当時の男性中心的な文壇やカルチャー界において、フェミニズムや個の孤立を先取りした先駆的クリエイターとして異彩を放ちました。
生前の軌跡と若くして駆け抜けた軌跡
1970年代中盤からはSFマガジン等の専門誌を中心に、ディストピアやジェンダーロールの解体をテーマにした短編小説を相次いで発表。鋭利な批評性と叙情性を併せ持つ作風は、熱狂的なファン層を獲得します。しかし、激しい創作活動と私生活の葛藤のなかで体調を崩し、1986年に36歳の若さで自死を遂げました。没後もその作品群は失われることなく、時代が追いつく形で再評価の波が押し寄せています。