安倍とプーチン27回会談の真相|蜜月の舞台裏と現在への教訓

安倍とプーチン27回会談の真相|蜜月の舞台裏と現在への教訓

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2人の外交アプローチを象徴するのが、儀礼的な外交プロトコルを排した「パーソナル・ディプロマシー(首脳間個人外交)」でした。その頂点が、2016年12月に安倍氏の地元である山口県長門市で開催された首脳会談です。

長門会談温泉外交において、両首脳は通訳だけを同席させた長時間のテータテート(1対1の直接会談)を実施しました。老舗温泉旅館「大谷山荘」で湯に浸かり、リラックスした環境下で領土問題の本丸に切り込むという演出は、トップ同士の人間的信頼をテコに膠着状態を打破する狙いがありました。

また、2012年に日本側からプーチン氏へ贈られた秋田犬ゆめ贈呈エピソードに見られるようなソフトパワー戦略も交えつつ、2018年11月のシンガポール会談では決定的な局面を迎えます。

両首脳は、1956年の「日ソ共同宣言」を基礎として平和条約締結交渉を加速させることで合意しました。これは、従来の「北方四島の一括返還」という日本の原則論から、歯舞群島・色丹島の「2島先行返還」を視野に入れた現実路線への大転換を意味していました。さらに、領土の主権問題を棚上げしつつ実利的な協力を先行させる北方四島共同経済活動の構想も合意され、交渉は戦後最大の進展を見せるかに思われました。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。